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遥飛蓮助の一次創作ブログ
2016/09/02/Fri
数日後、僕の携帯に夢原さんから着信があった。
「もしもし?」
『お久しぶりです。トポグラフ・マッパー。またの名を、夢原涙子です』
「夢原さん。お久しぶりです」
『その後はどうですか?』
「はい、なんとか。まだぎこちないですが」
『そうですよね。お互いずっと言えなかったんですもの』
「夢原さんは知ってたんですか? 父がアヤちゃんの事故のことを知ってたって」
『いえ。どうしてですか?』
「や、だって」
『タカトシくんがアヤちゃんを引き上げようとしたって聞いて、素直なタカトシくんなら、服の汚れとか気にせずお父さんのところに行くと思いましてね。仲の良いお友達が落ちたんですから、涙で顔がぐちゃぐちゃになってそうですし』
「父もそう言っていました。でも僕を問い正しても、なにも答えてくれなかったと」
『アヤちゃんとの約束を守りたい。でもお父さんに言ったら約束を破ることになるし、なにより、ご両親に黙って危ないところに行ったんですから。小さい頃のタカトシくんはお父さんに怒られることへの恐怖で、一緒に大事なものと忘れてしまった……というところでしょうか?』
「あはは、自分でも恥ずかしいです」
『それが子供です。そして、親は子を思って叱ります』
「『叱る』と『怒る』は違うんですか?」
『全然違いますよ! 「怒る」は自分のために、感情に任せたもの。「叱る」は相手のために、相手に良くなってもらうために注意するものです』
「なるほど」
『あとタカトシくん。あなたはこの先、自分を信じて進まなければいけない場面に何度も遭遇します。その中で、本当の自分をさらけ出すことができなかったり、自分を追い詰めてしまうこともあるかもしれません。でも、本当の自分を知ることや、本当の自分を忘れないことはもっと難しいと思うんです』
「はい」
『今回のことで、あなたは本当の自分を知ることができました。迷ったら、その自分を思い出して、労ってあげてください。だいじょうぶ。タカトシくんならだいじょうぶです』

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