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遥飛蓮助の一次創作ブログ
2016/10/01/Sat
人は頭の中で「危ない!」と叫んだ後、すでに自分が怪我をしたことに気がつく。
 ハヤマ・ユリカも階段で足がもつれた瞬間こそ、頭の中で「危ない!」と叫んだ。しかし体は重力に勝てない。結果、地下へと続く階段の入り口で尻餅をついてしまった。
 脱げたハイヒールが暗い地下へと落ちていくのを呆然と眺めていると、地下から「落としましたよ!」という声が上ってきた。可愛い女の子の声だった。
「ああ、ありがとう」
 回らない頭でなんとか返事をしたが、普段より酔いの回りが早い。
「――お水、持ってきますね」
 階段を上ってきた女の子はユリカの様子を見るや、傍らにハイヒールを置くと、その足で階段を駆け下りた。
 自分ではちょっと飲み過ぎたという感覚でも、人から見れば泥酔の域に達しているらしい。暗がりでよく見えなかったが、女の子も困惑した様子だった。
 そういえば、ビールから焼酎のお湯割りやワインに手を出した辺りで、「そのくらいにしなよ」とカナコに止められた気がする。いろんな種類のお酒を飲む、いわゆる『ちゃんぽん』をすれば泥酔になるのは当たり前だ。
 ユリカは背中から地面に倒れ、そのまま横になった。秋口の夜。お尻はまだ痛むが、アスファルトの冷たさが心地良い。
 横になるなら土の方がよかったな、とユリカは思った。お客さんから買ってもらったブランド物の服やバッグ、アクセサリーを土と草まみれにしたらどれだけ気持ちがいいだろう。

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