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遥飛蓮助の一次創作ブログ
2015/01/31/Sat
ようちえんからかえってきたら、ミーコがないてた。まどのそとをみながら、ないてた。
「ただいま」
「おや、おかえり」目をこすって、ミーコがいった。「寒かったろう。ほっぺたが林檎みたいだ」
「うん。とってもさむかった。ミーコはぼくがいなくてさびしくなかった?」
 ふゆやすみのあいだ、ずっとぼくといっしょだったから、さびしくてないてたのかなっておもった。でもミーコは「いや」っていって、ゆかにゴロゴロころがった。
 ぼくもふくをぬいで、ミーコみたいにゆかにころがった。「ねこはこたつでまるくなる」けど、ウチのミーコは「ゆかだんぼー」のうえでゴロゴロする。「ミーコのためにこたつかって」ってママにおねがいしたけど、ゆかだんぼーがあるからダメって。
「ウチにこたつがなくてごめんね」
 ぼくがあやまったら、ミーコはしっぽをニョロニョロうごかして「またその話かい?」っていった。
「だって、さっきミーコないてたから。こたつがなくて、ないてたのかなって」
「……対したことじゃないさ」ミーコが、こんどはめをはんぶんくらいにほそながくしていった。「なに、太陽の光が雪に反射して、眩しかっただけだよ」
「ほんとうに?」
「本当。あたしがお前に嘘ついたことあるかい?」
「んーん」ぼくは、あたまをみぎとひだりにうごかした。「ミーコがそういうんだったら、しんじる」
「ありがとう。そら、ママが戻ってこない内に、早く手を洗っておいで」
「うん!」

 あの子に嘘をついた。
あの子に隠していること、あの子に言っていないことがたくさんある分、嘘だけはつかないようにしようと思っていたのに。
 嗚呼、坊や。お前は優しい子だから、あたしが泣いているのを見て、自分も悲しい気持ちになったんだね。だからお前なりに、あたしを気遣ったんだね。嘘をついたって知っても、きっとお前は許すだろうね。
 約束するよ、あたしの可愛いお馬鹿さん。もうお前に嘘をつかないと。その代わり、お前も早く、ゆっくり大きくおなり。
 あたしは大きくなったお前に、話したいことがたくさんあるのだから。

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