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遥飛蓮助の一次創作ブログ
2014/08/21/Thu
「今時屋上から双眼鏡でパンチラ拝むってお前、いつの時代の人間だよ」
「ならお前だけ帰れば良いじゃん」
「俺は屋上に用があんの」
「ちょっ、離れて吸えよ不良。こないだみたくお前に巻き込まれて怒られるとか迷惑なんですけど。屋上出禁になったのだってお前のせいだし」
「あはは、あん時はマジゴメンて。で、見えた?」
「いんや。今日は風強いし、見れると思っ……」
「どした?」
「……見た」
「誰の?」
「同じ、クラスの、鳴海、なんとかって、奴の、太もも」
「そんな奴いたっけ。でもラッキーじゃん。焦るより寧ろ喜べよ」
「そんなん、じゃ、なく、て……こっち、見たん、だよ!」
「鳴海って奴が?」
「ちが、う! 鳴海の、太ももに、ある、蜘蛛、みたいな、小っさな、目が三つ! こっち、を!」
「……は?」

「今日の風マジヤバイよね」
「だよね。鳴海さんも大丈夫だった?」
「……うん」
 太ももを露にするくらい短いスカートの彼女達とは違って、私のスカートは膝頭を隠すくらい長い。少しくらいの風じゃ、靡かないと思ってたけど、さっきの風は、重く垂れ下がったスカートをも翻し、私の秘密をさらけ出した。
 何かの見間違えだと思ってくれれば有り難いのだが、屋上でのやりとりを見るに、そうは問屋が卸さないような気がする。
(だからって、簡単に話す気もないけど)
 私は彼女達の後を追いながら、スカート越しに太もものを撫でた。
 こういう時は無視するに限る。いつもそうやってやり過ごしてきたから、慣れてる。詮索されるのが嫌で、友達も作らなかったけど、慣れてる。私のことを「鳴海さん」以外で呼んでくれる友達もいなかったけど、
『よりこ』
 ああ、いた。私のことを「鳴海さん」以外で呼んでくれる人。頑なに「依子」と呼んでくれる人。
「なに?」
『早く帰ろう』
「そうね」
 私は彼女達に追い付くと、早足で追い越した。お喋りに夢中な彼女達。私のことなんて気づきもしない。気まぐれに話しかけるだけ。屋上から私の秘密を見た、あいつだって、きっと。
「……ねぇ」
 触らなくても分かる、私の秘密がギョロリと動く瞬間。
「あいしてるわ。ダーリン」
 私は、あなたがいれば、それで良い。

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