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#twnovel 43

水瓶の中を覗き始めて幾日経つだろう。波もなく揺らぎもなく、墨を塗りたくった和紙で蓋をしてしまったような、深い静寂。手を入れれば容易いが、私はただただ覗き続ける。寂しいよ。水瓶の底にいるだろう君に、私の声は届かない。淋しいよ。溢れる涙でも、和紙の蓋は破れない。

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