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#即興SS④※閲覧注意(月の一血ネタ)

朝起きて、トイレに入ったら、私の中から、金魚が生まれた。
 赤い色を滲ませて、ひれをゆらゆら揺らして、泳いでいた。
 覗き込むように眺めていたら、お腹が痛くなった。
 お腹を抑えてうずくまっていたら、ママの声が聞こえた。
 トイレに来たママは、私が生んだ金魚を見て、あらあらと言った。嬉しそうな声で言った。
 ママから話を聞いたパパは、赤飯炊かないとなって、笑って言った。
 金魚は、私がうずくまっている内に形が崩れて、水と一緒に流れていった。
「せんせ。人間は、人間を生むんですよね?」
「そう…だけど?」
「私、今朝、金魚を生みました」
 机に座って仕事をしていたらしい保健室の先生が、驚きで引き攣った顔をしていた。
「とても綺麗でした。赤ちゃんより、とても可愛かったです」
 私は、ママが持たせてくれたポーチを先生に押しつけて、保健室から出た。そのまま真っ直ぐトイレに入ると、廊下から、私の名前を呼ぶ先生の声が聞こえた。
 個室に入って、しゃがみこむと、また私の中から金魚が生まれた。
 可愛い可愛い、私の金魚(赤ちゃん)達。
 あなたたちを押し潰す布はおかあさんがポーチに隠したから、大丈夫だよ。
「ふふっ、可愛い」
 今朝よりも濃い赤に、黒々とした黒が混ざっていた。

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