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【再掲載】第11回フリーワンライ:こんにちは、チョコレート

ともだちのヨシオくんからもらったチョコをもってかえったら、うちにはミーコがいるんだから、もらってきちゃダメって、ママにおこられた。チョコはミーコにとってからだにわるいたべものだから、まちがってたべちゃうと、びょうきになっちゃうんだって。
「おや、美味そうなものを食べてるじゃないか」
 こうえんのベンチでチョコドーナッツをたべていたら、ミーコにみつかっちゃった。
「これはあげないよ。ミーコにチョコをあげたら、びょうきになっちゃうもん」
 チョコドーナッツをうしろにかくしたら、ミーコがかおをそらした。
「知ってるよ。この間、ママに怒られたばかりだものねぇ」
 ぼくはくちのなかでのチョコドーナッツをのみこんで、コクンとうなづいた。ミカちゃんからもらったチョコドーナッツ。いえにかえるまえにたべちゃおうとおもってたのにな。
「安心しな。自分から毒を食べるほど、アタシは落ちぶれちゃいないよ」
 そういってあくびをしたミーコは、ぼくのあしもとでまるくなった。
「ほらほら、チョコがドーナッツからこんにちはしてるよ」
 ドーナッツをみると、なかのちょこがはみだしてた。
「やあやあミーコさんこんにちは。わたしはチョコのくにのチョコだんしゃくといいます。ごきげんいかが?」
 ぼくはあしもとのミーコに、ママがよんでくれたほんにでてきたしんしのまねをした。しんしはおんなのひとに「ごきげんいかが?」ってきくのがマナーなんだって。
 ミーコはみみをピクッとうごかしてから、ぼくのことをふしぎそうにみた。それからめをほそながくしてわらった。
「ええとても。あなたは?」
「わたしもです。でもキミにたべてもらったほうが、もっときぶんがいいんだけどね」
「ご冗談が上手いこと。でも、アタシも残念でならないよ」
 残念っていうのは、ガッカリしたきもちになったときにつかうんだって。
 でもミーコはわらって、しっぽをうねうねした。ぼくもつられてわらって、ゆびについたチョコをペロッてなめた。

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